看護師ステーション前のベンチで繰り広げられる静かなドラマが胸に刺さります。赤ちゃんを抱く母親と、優雅な女性が揺り籠を手に会話する日常の一幕。そこに現れた黒スーツの男性の視線が全てを変えます。彼の複雑な表情と、女性が立ち去る決断の瞬間、空気感が一変する演出が見事でした。傷だらけの私たちというタイトルが示すように、それぞれの過去を背負った人々のすれ違いが、言葉少なに描かれています。車内の涙ぐむ男性のクローズアップは、語り尽くせない悲しみを伝えてきます。