香を調合する名門・蘭家の嫡女、蘭子音は「絶世の奇香」を完成させるため三年間の閉関修行に入っていた。だが出関の日、彼女が目にしたのは、赘婿・白子誠と自らの表妹・柳依依の不義の現場だった。
蘭子音はその場で夫を破棄するが、直後に白子誠の策略により、京中の香料商から一斉に取引を断たれ、蘭家は存亡の危機に陥る。大典を目前に控え、家を救うため蘭子音は単身、禁域と噂される「鬼市」へと踏み込む。
そこで彼女は、鬼市の主にして正体を隠す当朝の攝政王・傅廷驍と邂逅。その異様な香才と胆力に興味を抱いた傅廷驍は、彼女に協力を申し出る。
蘭子音は冷徹な攝政王と手を組み、裏切り者たちへの反撃を開始する——やがてそれは、王都を揺るがす粛清となり、蘭子音は「大梁一代の香后」として伝説を刻むことになる。