後半のドタバタしたコメディパートから一転、鏡の前でドレスを着る母親の表情があまりにも切ない。そこに忍び込む怪しい男の存在が、単なるスラップスティックではない不気味さを放っている。幸せを掴もうとする母親の姿と、それを阻む影の対比が鮮烈で、続きが気になって仕方がない。
息子と母親、そして新しい恋人らしき女性との三角関係が描かれる中、母親が涙をこらえて指輪を渡すシーンは圧巻。愛するがゆえの別れなのか、それとも裏切りなのか。ネットショートアプリで見た中でも特に感情移入してしまうドラマで、家族のあり方を深く考えさせられる作品だ。
黒いスパンコールのドレスを着た女性の存在感が圧倒的で、母親の地味な服装との対比が物語の階級差や対立を象徴しているようだ。しかし、母親が赤いドレスに着替えるシーンで、彼女の内なる強さや変化が予感される。衣装一つでこれほど心情を語れる演出に感心した。
深刻な別れのシーンかと思えば、突然のドタバタ劇や怪しい男の登場で笑わされる。このジェットコースターのような展開が中毒性を生んでいる。特に母親が驚いて叫ぶ表情がコミカルで、母だからって我慢しない!というテーマがコメディタッチで表現されているのが面白い。
最後に壁の隙間から覗く男の姿が、物語に新たな謎を投げかけている。彼は単なるストーカーなのか、それとも母親の過去に関わる重要人物なのか。母親が鏡を見て驚くシーンと重なり、過去のトラウマが蘇るような緊張感が漂う。この伏線回収が待ち遠しい。