十五年前、武林の頂点に君臨していた沈淵は、幼い妹・沈念を守るため、自ら創設した「鉄骨堂」の主という身分を捨て、天京の市井に身を隠した。それ以来、豚をさばき、肉を売ることで生計を立ててきた。
そして十五年後。沈念は鎮南の趙家へ嫁ぐことになるが、婚礼の日、世子・趙陵から凄惨な辱めを受ける。犬用の穴をくぐらされ、豚の餌を無理やり食べさせられ、焼けた鉄を肌に押し当てられたうえ、乞食まで呼び寄せられ、貞操を奪われそうになる。
母の遺した紹興酒「女児紅」を手に、沈淵が離れへ足を踏み入れたとき、目に飛び込んできたのは、血まみれになった妹の無惨な姿だった。その瞬間、十五年もの間眠り続けていた血の修羅が、ついに目を覚ます。
豚をさばく包丁を鞘に収め、伝説の「鉄骨功」を再び解き放った沈淵は、雷霆の勢いで趙家を血に染め、趙陵の武功をことごとく廃する。そしてかつての配下を招集し、再び江湖へと帰還する。
潜んでいた龍が王都へ舞い戻った今、天京を揺るがす嵐は、まだ始まったばかりだった……