チンピラの蘇河は、たった一人の妹と支え合いながら生きていた。
街角で偽薬を売っては小金を稼ぎ、厄介事が起きるたびに腕っぷしの強い妹に後始末を任せる毎日。口は達者で金にがめついが、そのすべては妹に家を買ってやりたいという夢のためだった。
ある日、一攫千金を狙って蜀山へ忍び込んだ蘇河は、何者かに襲われ瀕死となった蜀山長老・清虚と遭遇する。
清虚は最期の力を振り絞り、なぜか蘇河に生涯の功力を託し、さらに掌門の証である令牌まで手渡して息絶えてしまう。
しかし当の蘇河は、自分が絶世の神功を受け継いだことなどまったく気づいていなかった。
その後、掌門令牌を持つ彼は、大師姐・沈欺霜らによって蜀山へ迎えられ、次期掌門として崇められることに。
豪華な衣装、貴重な宝物、広大な仙門――。
夢のような光景を目にした蘇河は、「ここなら大儲けできるかもしれない」と密かに企み始める。
妹に家を買う資金を稼ぐため、彼は何食わぬ顔で妹まで蜀山へ呼び寄せるのだった。
こうして、己が最強の力を持つことに気づかないまま、金儲けしか頭にない“なんちゃって掌門”による、波乱万丈の仙侠ライフが幕を開ける――