道端に集まった人々の好奇の目が、主人公を追い詰めていく様子がリアルすぎる。特にピンクのマフラーをした女性の叫び声は、悪意の塊のように聞こえる。善意が裏切られる夜の中で、誰もが加害者にも被害者にもなり得る恐怖を味わった。
後半、三輪車に乗った母親とパンダ帽の子供の登場で空気が一変する。傷ついた額を抱えながらも子供を守る母親の姿に、先ほどの修羅場とは違う切なさを感じた。善意が裏切られる夜でも、母の愛だけは揺るがないと信じてしまう。
最初はスマホの一件で揉めていたのに、気づけば子供を巡る争いに発展している。登場人物たちの感情のぶつかり合いが激しく、誰が善人で誰が悪人か判断できない複雑さが面白い。善意が裏切られる夜というテーマが全編を通して貫かれている。
吹雪く中の撮影だからか、登場人物たちの息遣いや震えが本物っぽい。特に赤いコートの女性が一人取り残されるシーンの孤独感が凄まじい。善意が裏切られる夜というタイトルが、物理的な寒さと心理的な冷たさを掛けていて秀逸だ。
カップルが子供を奪い去ろうとする必死な様子と、母親の抵抗が見事な対比を描いている。ネットショートアプリで続きが気になって仕方がない。善意が裏切られる夜の後、果たして子供は無事に戻れるのか、その行方が心配でたまらない。