物語の序盤で見せていた主人公の穏やかな笑顔と、終盤で家族を見下すような冷ややかな目が対照的です。特にスマホを見てニヤリと笑う瞬間や、請求書が来た時の家族の青ざめた顔は鳥肌モノ。ネットショートアプリでこの緊迫した空気感を味わえるのは最高です。家族が困っている姿をあえて楽しむ主人公の心理描写が、短劇ながら非常に深く描かれています。
主人公が着ている白いスーツの質感や、アクセサリーの輝きが画面越しでも伝わってきます。一方、家族の服装はそれなりに見えますが、主人公の圧倒的なオーラに霞んで見える演出が上手い。レストランの豪華な内装ともマッチしており、視覚的な美しさが物語の格上げに貢献しています。私はエティーエムじゃない!~二度目の人生、家族を裁く~の世界観を、衣装一つでここまで表現できるなんて素晴らしい。
会話が少ないシーンほど、登場人物たちの息遣いや視線が気になります。請求書を前にして言葉を失う家族と、静かにワインを飲む主人公。この沈黙の時間が、これまでの関係性の崩壊を物語っているようでゾクゾクします。派手な喧嘩よりも、この静かなる断絶の方が胸に刺さりました。短劇特有のテンポの良さに加え、こうした間(ま)の取り方も見事です。
最初は家族に振り回されていたかのような主人公が、いつの間にか主導権を握っている展開が痛快。高額な料理を注文し、平然と家族に支払わせる姿は、長年の仕返しを見ているようです。私はエティーエムじゃない!~二度目の人生、家族を裁く~というテーマが、最後の支払いのシーンで完璧に結実しています。見ている側のストレスも一緒に解消されるような、最高のエンタメ体験でした。
高級レストランでの食事シーンが圧巻です。メニューの価格を見て驚く家族と、余裕でオーダーする主人公の対比が鮮やか。特にカニやロブスターを豪快に食べる姿は、これまでの鬱屈を晴らすような爽快感があります。私はエティーエムじゃない!~二度目の人生、家族を裁く~というタイトル通り、金銭感覚のズレが浮き彫りになり、見ているこちらまでスカッとする展開でした。