十八歳の温檸は、初めて愛を知った相手――それは父の部下で八歳年上の穆棠生だった。
二人の関係は、誰にも知られぬまま十年続く。
だが、兄が戦死し、父が病に倒れたとき、温檸は十度目の懇願をする――
「どうか、結婚してほしい」
家を守るためのその願いも、穆棠生はまたしても拒み、同い年の幼なじみ・葉婉心を選んだ。
涙を流すこともやめた温檸は、静かに仏前へと膝をつく。
そして、運命の籤が導いたのは――
血に塗られた名を持つ傭兵隊長・周野。
彼女はその名を受け入れ、「最も早い婚期」での縁を結ぶと決めた。
──哀しみと決意が交錯する、禁断の愛と運命の婚約の物語。